平成25事務年度における相続税の調査事績について
平成25事務年度における相続税の調査事績について
このたび、国税庁より、相続税について、平成25事務年度(平成25年7月から平成26年6月までの間)に実施した実地調査の状況について発表がありました。
相続税の調査は、国税局や税務署で収集した資料情報をもとに、申告額が過小であると想定されるものや、申告義務があるにもかかわらず無申告となっていることが想定されるものなどに対し行われます。
この相続税の調査事績によれば、相続税の調査が行われた11,909件のうち9,809件(82.4%)が申告漏れ等を指摘されており、ひとたび調査が実施されれば、8割以上の確率で申告漏れが指摘される状況であることがうかがえます。
また、故意に隠していたとされる重加算税の対象も1,061件ありました。
1件あたりの申告漏れ課税価格は2,592万円で、追徴税額は452万円と金額も決して小さくありません。
申告漏れ相続財産の金額の内訳は、現金・預貯金等1,189億円(39.2%)が最も多く、続いて土地412億円(13.6%)、有価証券355億円(11.7%)の順となっています。
現金・預貯金等と有価証券の申告漏れウエイトが50.9%と高いことがわかります。これは、相続税の調査が、「不表現資産」と呼ばれる預貯金、有価証券等で申告書に出てこない財産を探し出すことに重点をおいて行われているからです。
海外資産に係る申告漏れ件数は124件(対前事務年度比109.7%)で、申告漏れ課税価格は163億円(対前事務年度比620.0%)、1件あたりの申告漏れ課税価格も13,146万円(対前事務年度比565.0%)と大幅に増加しており、資料情報や相続人・被相続人の居住形態等から海外資産の相続が想定される事案などについて、積極的に調査が実施されていることが読み取れます。
参考
国税庁ホームページ : 「平成25事務年度における相続税の調査の状況について 」